
骨粗しょう症は女性に多い病気だとご存知でしょうか。カルシウムの吸収には女性ホルモンが大きく関係しています。女性ホルモンの分泌が低下する出産後、閉経後には特に、カルシウムを積極的に摂ってもらいたいのです。
女性に多い骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨量が少なくなることで骨がもろい状態に変化し、骨折しやすくなる病気です。骨密度の低い状態では、体を支える強さがなくなり、つまずいたり、転んだりしただけで骨折してしまうこともあります。
年齢とともに骨密度は低くなり、65歳以上では3人に1人が骨粗しょう症であるとのデータも。高齢者では、骨折したことにより、体を動かさなくなり、筋肉が衰え、そのまま寝たきりの生活になってしまうという場合も少なくありません。出産後の女性が、自分でも気付かないうちに骨粗しょう症になっており、赤ちゃんを抱っこした際に骨折してしまう場合もあります。
骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状がないので、気づかない人も多く、また女性に多いというのも特徴です。
骨粗しょう症が女性に多いのは何故でしょう?
それは女性ホルモンがカルシウムの吸収を助けてくれる働きをしているからです。閉経後、女性ホルモンの分泌が低くなるので、更年期世代の女性は特にカルシウムが不足しがちです。
そして、出産後にも女性ホルモンの分泌が低くなります。さらに授乳中は母乳からもカルシウムが流れ出てしまい、授乳期間が長くなると骨密度が低い状態が続き、回復が難しくなる場合もあるようです。
骨量のピークは20歳まで
骨はカルシウム、リン、タンパク質で構成されています。骨量は成長とともに増えていき、20歳でピークを迎え、しだいに少なくなっていきます。
カルシウムは骨を強くする成分ですが、細胞や筋肉、神経の働きをサポートする成分としても大切です。骨量を増やし、カルシウムを蓄える期間も骨量のピークを迎える20歳くらいまでですので、成長期にしっかりカルシウムを蓄えておく必要があります。
成長期からしっかりカルシウムを摂ることはもちろん大切ですが、カルシウムが不足してしまうと、骨の中にあるカルシウムが溶け出してしまい、骨量が少なくなってしまいます。

カルシウムは吸収率の高い牛乳がおすすめ
成人女性のカルシウムの食事摂取基準(推奨量)は1日650mg。
カルシウムの吸収については、食品によっても差があり、牛乳や乳製品は約50%、小魚は約30%、青菜は約18%です。牛乳1杯(180ml)でだいたい200mgのカルシウムが取れる上、牛乳に含まれるCPP(カゼイン・ホエイ・ペプチド)というタンパク質がカルシウムの吸収を高めるので、毎日1杯は牛乳を飲むのが良さそうですね。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれる栄養素です。食事からも摂れますが、ビタミンDは紫外線を浴びることで体内でもつくられますので、日光浴も骨の健康に良いようですよ。
そして摂ったカルシウムを骨に蓄えるには適度な運動も必要です。運動によって骨の新陳代謝を活発にし、カルシウムが骨に定着するのを助けてくれるのです。
女性の場合、妊娠・授乳中の生理停止期間と閉経後は特に、骨の健康を意識したバランスのよい食事、運動、日光浴などを心がけてくださいね。
日本人の平均寿命は男女ともに80歳以上ですが、日常的に介護を必要とせず、心身ともに自立して暮らせる健康寿命は、平均寿命よりも10年短いと言われています。
子供が生まれるまではよく牛乳を飲んでいたような気がしますが、今はコーヒーに入れて飲むくらいになっていたな、と少し反省しました。
いつまでも元気に人生を楽しむためにも、健骨美人でいたいものです。
