
昨日は5月中旬並みの暖かさでしたが、今年は各地で大雪に見舞われ、例年よりも冷え込んだようにも思います。最近はよく、「冷え」に関するお問い合わせを頂きます。「冷え」にお困りの方が多いのだな、と実感するこの頃です。
「冷え」を感じたとき、みなさまはどうされているでしょうか。足が冷えれば靴下を重ねて履き、手が冷えれば暖かいお湯で温めるなど、外側から温める事が多いと思います。一度冷えてしまった部分は、外から温めないと「冷え」が取れません。
私も仕事中や家でキッチンに立っている時なんかは、足元が冷えないように靴下、レッグウォーマー、もこもこスリッパなど、冷え対策をするようにしています。それでもうっかりしていると、すぐに足元が冷え冷えに。冷えてしまった時、外側から温めるというのが一番早いように思いませんか??確かに外側から温めても冷えた手足は温まります。一時的には温まるものの、またすぐに冷えてしまう・・・という経験はありませんか?
熱いものを食べても、冷たいものを食べても、飲み込んでしまえば熱さも寒さもわからなくなるように、体の中が冷えていても、私たちはそれを感じることができません。しかし、手足が冷えるということは、体も冷えてしまっている可能性が高いのです。手足の冷えは、体の冷えのサイン。冷えた手足を局所的に温めるだけでは、根本的な解決になりません。
私たち人間は、恒温動物。周りの温度に左右されず、体温を一定に保って生活しています。では、どうやって体温を保っているのでしょう。それは、「熱を作り出し、体の隅々まで運ぶ」という仕組みが備わっているからです。その仕組みが十分に働かないと体が冷えてしまうのです。
「冷え」対策には、次の3つが大切です。
体を温めるための熱産生を増やす
私たちの体は、骨格筋を動かすことで多くの熱を作り出しています。また内臓が活動することでも熱を生み出します。筋肉量が少ない、食事量が少ない、消化器官の働きが悪いといった場合は、体を温めるために十分な熱を作り出せていないかもしれません。寒いと動くのも嫌になってしまいますが、積極的に体を動かすことで体の中で熱が作られます。
産生した熱を隅々まで運ぶ
貧血、低血圧、ドロドロとした血液、血管が老化してもろくなってしまっている場合、血液が十分に隅々まで行き届かず、せっかく作り出した熱も運ばれません。健康な血管と血液は、冷え対策にはとても大切です。
自律神経を整える
自律神経の働きによって、血管の収縮や拡張が調節されています。交感神経が優位な状態では、血管が細くなりがちですので、作り出された熱が末端にある毛細血管にまで行き届きません。ゆったりとした時間を持ち、副交感神経を優位な状態を作ることも冷えには効果的です。
「冷え」の根本的な解決には、やはり内側から体を温めること。体の中で熱を生み出し、隅々にまで行き届かせるという私たちに備わっている仕組みをきちんと整えてあげることが大切なようですね。
冷たい食べ物や飲み物は避け、体を温める食材やスパイスを積極的に取り入れることはもちろん、ストレスを溜めず、ゆったりと過ごすことも冷えない体づくりには大切です。
ヨガや太極拳などゆったりとした運動は、熱を生み出すだけでなく、めぐりを良くし、リラックスさせる効果もありますので、オススメですよ。
