コルヴァプースティ ~ カルダモンとコーヒー ~

映画にも登場し、日本でも有名となったフィンランドのシナモンロール。フィンランドではコルヴァプースティ(平手打ちされた耳)と呼ばれ、その名の通り、潰れた耳のような独特な形をしています。

「シナモンロール」と聞くと、砂糖がたっぷりかかった甘いパンが頭に浮かぶのではないでしょうか。フィンランドのシナモンロール、コルヴァプースティはちょっと違います。ムンッキ、ルーネベリタルトにも登場したカルダモンが練りこまれたバターたっぷりの生地に、シナモンシュガーを巻き込んで、特徴的な形に成形し、パールシュガーをトッピングして焼き上げます。本場のコルヴァプースティは手のひら程の大きいサイズだそうですが、今回作ったものは食べやすいミニサイズにしました。
優しい甘さの生地とシナモンシュガー、カルダモンの風味が口の中に広がり、ついつい、もう1個・・・と手が伸びて、何個でも食べられてしまいそうです。

カルダモンとコーヒー

シナモンは血流を促し、リラックス効果があるスパイスです。体を温め、消化を促す働きもあり、冷え性の方はもちろん、風邪のひき始めにもよいそうです。最近では血管のエイジングケアに良いと言われています。
カルダモンは消化を促し、食欲増進の効果があるとされるスパイスです。口臭予防にもよいとされています。シナモンとカルダモンには、どちらにも消化を促す働きがあるので、とても良い組み合わせだそうです。たっぷりバターが練りこまれたコルヴァプースティをたくさん食べても胃もたれしないのは、スパイスたちのおかげかもしれません。

今回はたくさん生地をつくったので、半分はそのまま丸めてプッラにしてみました。プッラはそのまま食べてもおいしいのですが、リンゴンベリージャムを添えると美味しさが3割増しになります。カルダモン風味とリンゴンベリーの甘酸っぱさがとても合います。決してしつこい甘さではないのですが、どちらもコーヒーが欲しくなる味です。フィンランドのコーヒー消費量が世界トップクラスというのも納得できます。

カルダモンとコーヒーの組み合わせって、なんて相性が良いのだろう・・・と思っていたら、中近東ではコーヒーにカルダモンを加えたカルダモンコーヒーたるものが飲まれているそうです。
せっかくなので、残っている粗びきカルダモンを使ってカルダモンコーヒーも飲んでみました。カルダモンコーヒーの作り方はいろいろあるようですが、今回はカルダモンを加えて香りづけしたお湯でコーヒーを淹れました。
カルダモンのスパイシーな香りがフワッと香ってワンランク上のコーヒーになった感じがしました。