
素敵なお茶に出会いました。その名もアキグミ茶。あまり聞いたことのない名前のお茶だと思います。
健康茶と呼ばれるお茶には、独特の風味があってクセが強いものが多く、「健康に良い」と言われてもなかなか続けて飲むことができない事が多かったのですが、アキグミ茶はほうじ茶に似たような風味で、クセもなくすっきりとした味わいのお茶です。
アキグミとは・・・
アキグミ(秋グミ)はグミ科の植物で、北海道西南部から九州にかけて自生している落葉性の低木です。その名の通り、秋には赤い実をつけます。赤色の実は甘みがありジャムや果実酒などに加工されています。
アキグミの葉は、西日本の各地で古くからお茶として親しまれてきたそうです。現在ではあまり見かけなくなってしまいましたが、岡山県や鳥取県の中国山地の地域では、5月~6月ごろに摘んだ新葉を使った「アサドリ茶」が飲まれているのだとか。

アキグミ茶の魅力
アキグミの赤い実には、ポリフェノールのほか、ビタミンE、β-カロテンなど、抗酸化作用を持つ成分が含まれています。抗酸化作用がある成分は、さまざまな美容効果が期待できる女性に嬉しい成分ですよね。若返りの果実と言ってもいいかもしれません。しかし、ジャムや果実酒などの場合は砂糖が加えられているものがありますので、加工品を召し上がる際は気をつける必要がありそうです。
一般的に実を食べることが多いアキグミですが、葉・枝・根にもカラダに良い成分が含まれています。お茶として飲まれていたのも先人の知恵でしょう。中医学では牛奶子(ギュウダイシ)と呼ばれる生薬として使われ、日本でも民間薬として使われてきました。
アキグミの葉、茎皮、種子にはセロトニンという成分が含まれています。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、セロトニンが不足するとネガティブ思考になったり、疲れやすくなったり、ストレスの影響を受けやすくなったりします。また質の高い睡眠にも、セロトニンが必要なのです。
アキグミの乾燥葉には、セロトニンが多く含まれているのですが、残念なことにお茶用に焙煎してしまうとセロトニンは減ってしまうので、お茶としてセロトニンの効果を得るのは難しいです。
アキグミ葉に含まれているタンニンなどのポリフェノールには、ウーロン茶に含まれているポリフェノールと同様、糖や脂肪の吸収を妨げる効果があることがわかっています。このポリフェノールは、焙煎しても減ることはないので、お茶にしても十分にその効果が期待できます。そしてカフェインゼロなのもアキグミ茶の嬉しいところ。我が家では食事の際に飲むお茶にしています。
以前、20代女性が脂質を摂りすぎる傾向にあるとお話しましたが、摂りすぎてしまった脂質は、キノコやお茶を味方にして、数日中に調整するように心がけると良いです。
アキグミ茶は、おいしい食事をもっと楽しむための強い味方になってくれそうです。
