
お鍋が美味しい季節。お鍋にきのこは欠かせない食材ですよね。しめじ、しいたけ、えのき、マイタケ、エリンギと種類も豊富にあります。きのこには免疫力を高める3大栄養素、βグルカン、ビタミンB1、ビタミンDが含まれています。もち麦や大麦などにも含まれている食物繊維βグルカンは、免疫力を高める働きがあるとして注目されています。
免疫力アップのカギは腸が握っている
私たちの体は、病原菌やウイルスなど悪さをするものがいないか、監視している免疫細胞があります。この免疫細胞は血液に乗って全身をパトロールし、悪さをするものを見つけると排除する役割を担っています。しかしこの細胞の働きは、加齢やストレスなどによって低下してしまいます。風邪をひきやすい、体力が低下している、と感じている方は、この働きが低下している、免疫力が落ちているのかもしれません。
免疫細胞の7割は腸内に存在しています。きのこに含まれるβグルカンは、全身をパトロールしてまわる免疫細胞に直接働きかけ、働きを活発にすると考えられています。
食物繊維は腸内環境を整えてくれます。きのこにはキャベツやレタスなどの野菜を上回る食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内に長く留まり、腸の動きを活発にします。便秘にはもちろん、栄養素の吸収率も上がり、代謝や免疫力の向上が促され、病気に負けない丈夫な体を作ることができます。
紫外線を浴びてビタミンDを増やす
ビタミンB1が不足すると、病原体に対抗するための抗体を作る力が低下してしまいます。きのこに含まれるビタミンB1は、豚肉の1/10、玄米の半分程度の量ではありますが、精白米の2倍以上含まれています。
ビタミンB1はごはんなど糖質をエネルギーに替えるのに不可欠な栄養素ですので、炭水化物やお酒を好む方はビタミンB1が不足しがち。玄米が苦手の方は、きのこご飯にするとビタミンB1を豊富に摂ることができるうえ、糖質も3割ほど減らせます。
ビタミンDは粘膜からの病原体の侵入を防ぎ、病原体を排除する力を強くする働きがあります。ビタミンDは魚に多く含まれますが、紫外線を浴びることで体内でも作られる成分です。
老化の原因ともなる紫外線。紫外線を避けるようにしている方には困った話ですよね。しかし、きのこ類には紫外線によってビタミンDに変化するエルゴステロールが含まれています。干しシイタケを裏返し、かさの裏の部分を日光浴させるとビタミンDを増やすことができるのです。紫外線は干しシイタケに浴びてもらいましょう。
体温が1℃上がると、免疫力が30%アップすると言われています。逆に免疫力が上がると体温も上がるとされています。つまり、体が冷えると免疫力が下がり、免疫力を上げれば体も温まるということです。
きのこをたっぷり食べて、体もポカポカ、インフルエンザにも負けない体をつくりましょう。
