
冬の日本海を代表する味覚の王様といえば「カニ」。旬を迎える11月、北陸ではカニ漁が解禁されます。カニ漁は11月6日~3月20日の期間で行われるため、カニ漁の解禁は冬の訪れを告げる風物詩です。
地元ではオスよりもメスの香箱ガニが人気
石川県で水揚げされるオスのズワイガニは「加納ガニ」と呼ばれ、メスは「香箱(こうばこ)ガ二」と呼ばれます。ズワイガニと言えば、立派なハサミを持ったズワイガニをイメージしますが、地元ではオスよりも小ぶりで、価格もお手頃なメスの香箱ガニの方が食卓に並びます。
手のひらに乗る程度の大きさの香箱ガニは、カニらしい華やかさはありませんので、県外からカニを食べに来る方々が口にする機会は少なかったのですが、その美味しさとお手頃な価格から人気を集めるようになりました。
お店で食べる「かに面」は、脚の身がきれいに並び、思わず写真を撮りたくなる一品です。
香箱ガニは小さい分、身も少ないです。小ぶりなのでご家庭でも茹でやすいですが、細い脚の身を一つずつ掘り出して食べるわけですから、食べる間はオスのズワイガニよりも無口になります。しかし、外子と呼ばれる茶色の卵と、内子と呼ばれるオレンジ色の未熟な卵の部分は、オスにはない美味しい部分です。
カニはヘルシー食材で女性の味方
カニには、ビタミンB群、アスタキサンチンなど、体に良い成分が含まれています。特にズワイガニは、赤血球を作る働きがあり、貧血予防に良いとされるビタミンB12が豊富に含まれています。カニは鶏のささみよりも高タンパク・低脂肪なので、ヘルシー食材です。ダイエット中であっても、カニならしっかり食べて大丈夫です。
カニの赤色は、アスタキサンチンという赤い色素。アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、その抗酸化作用はビタミンEの約1,000倍になるといわれており、肌のシミ・たるみ予防と改善効果、美白効果、ダイエット効果などの美容効果と、メタボリックシンドローム抑制作用、筋肉疲労の予防と回復効果などの健康に関する効果が期待できます。

香箱ガニは残念なことに県外に出回ることはほとんどありません。安価であること、小ぶりであることから、贈答用には不向きなこともあり、多くが地元で消費されてしまいます。
香箱ガニは子孫繁栄のため、カニ漁の解禁期間が12月下旬までと短く、本当に旬の時期にしか食べることができない貴重な冬の味覚、おいしく頂きました。
