
新そば粉を使ったそば打ち体験を見学してきました。この時期は、秋の新そばの季節です。秋は本当に実りの秋なのですね。
そばは収穫する時期によって、「夏そば」と呼ばれるものと、「秋そば」と呼ばれるものがあります。夏そばは日照時間が長い季節でも開花・結実できる品種であるのに対し、秋そばは日照時間が短い季節でないと開花・結実できない品種だそうです。そばは痩せた土地でも収穫できるので、昔から夏に収穫される夏そばを栽培されていましたが、「夏そば」は「秋そば」に比べると香りが弱く、コシがないと言われ、新そばの季節といえば秋でした。現在では、品種改良が進み、夏そばも美味しく頂けること、そして夏そばの生産量が圧倒的に多いこともあり、新そばは夏だと思っている方も多いのだとか。
秋そばの収穫は10月ごろで、11月には新そばが食べられます。
10月中旬に収穫したそば粉を使ったそば打ち体験の様子を見学してきました。
そば粉に中力粉を混ぜ合わせ、ふるいにかけた後、水を何度かに分けて加えます。水が全体に均一に行き渡るように、そーっと全体に水を加え、素早く手で混ぜるのですが、これがなかなか根気のいる作業です。一気にまとめたくなる気持ちを我慢しつつ、全体に水分をなじませます。混ぜているとそばのいい香りがしました。サラサラの粉がどんどんまとまり、少しずつ大きな塊となり、最後に一つにまとめます。それを120回程こね、練り上げます。
そばはとても繊細で、暖房が入っているだけでも水分が蒸発してしまい、生地が固くなってしまうのです。練りあがりに時間がかかりすぎても固くなってしまうようで、そばの練りあがり状態を見ながら水分の調整をしていました。そば打ちに慣れている方は、練り上げるまでもあっという間に終えてしまうのですが、慣れていないと意外と時間がかかってしまい、その間にも水分が失われ、最後に水分の調整が必要になりました。

出来上がった生地を少しずつ伸ばし、薄くします。均一に伸ばすには同じくらいの力を加えるわけですが、力を入れすぎると均一に伸びず、加減が難しいのです。生地が伸びたら折りたたんで細く切ります。同じ細さに切るのも意外と難しいようでした。あとは茹でで、お待ちかねの試食です。
かけそばと、新そば粉で作った「そばがきぜんざい」を頂きました。どちらもとても美味しかったです。
そばには「ルチン」というポリフェノールが豊富に含まれています。ルチンは、高血圧予防、毛細血管の強化に効果があるといわれています。そのほか、ビタミンやミネラルも多く含まれ、タンパク質においては白米以上の良質なタンパク質が含まれています。このタンパク質は水に溶けやすいので、そば粉自体は胃に優しいので、10割そばであれば胃に負担をかけず、消化によい食べ物になります。つなぎである小麦粉が含まれるそばは、その量に比例して消化も悪くなってしまいます。
そばに含まれるタンパク質は、半分ほどが水溶性です。ルチンなども水溶性なので、そば湯にはたくさんの栄養が含まれているので、おそば屋さんでは是非そば湯を召し上がってくださいね。
