
痩せる雑穀としてブームになり、一時はスーパーから消えるほど人気になったもち麦。プチプチとし食感がたまらないもち麦は、私も普段から食事に取り入れていています。もち麦が持つ栄養とその働きは、おなかをすっきりさせるだけではなく、血管にもやさしい食材です。
もち麦の食物繊維は、血管にもやさしい
もち麦は大麦の一種で、腸内環境を整え、便通を改善する食物繊維が多く含まれています。もち麦の食物繊維は、白米の25倍、玄米の4倍も多く含まれていて、中でも一つの食材でまとまって摂りにくい水溶性食物繊維が豊富に含まれているというのは嬉しいですね。
食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維は、便のかさを増やして排便を促す働きがあり、水溶性食物繊維は、便をやわらかくして排泄をスムーズにする働きがあります。この両方をバランスよく摂ることで腸は良い状態を保つことができるのです。
そして腸内環境を整えるには、腸の中に善玉菌を増やすことが大切です。もち麦に含まれる水溶性食物繊維のβ-グルカンは善玉菌のえさになり、腸内環境を整えてくれます。
水溶性食物繊維のβ-グルカンは、腸に優しいだけでなく、糖質の吸収を抑えたり、血糖値の急上昇を抑えたり、脂肪の吸収を抑えたりと糖尿病を予防してくれます。コレステロールを分解する胆汁酸の分泌を促すので、コレステロールの吸収を抑え、動脈硬化などの血管の老化を防ぐなど、血管にもやさしい食材なのです。
また、β-グルカンは塩分の吸収も抑えてくれる働きがある上、もち麦にはカリウムが白米の2倍多く含まれ、余分な塩分を排出してくれます。塩分を摂りすぎると血液量が増えるため、血管に圧力がかかりますので、塩分を排出する働きも血管への負担を抑えてくれるといえます。
もち麦は1日1食だけでも良い
どの食材もそうですが、人には得意不得意があります。他の雑穀米と比べると比較的食べやすい方ではないかと思いますが、我が家でも好き嫌いが分かれているので、毎日もち麦ごはんにするわけにはいきません。
サラダにトッピングしたり、お味噌汁やスープに入れたりと、それぞれの好みでプラスできるものでも食べるようにしています。
もち麦のすごいところは、セカンドミール効果があること。β-グルカンが持つ血糖値の上昇を緩やかにして、食欲を調整する働きは、次の食事まで効果が続きます。1日1食だけでも、毎日もち麦を食べる生活を続けると、整腸効果が感じられるのだとか。
週末にゆでておいたもち麦を冷蔵庫に入れておくと、いろんなものにプラスできるので、飽きっぽく、長く続かない私でも続けられています。ポン酢などに漬けたゆでもち麦も冷蔵庫に入れておくと、重宝しそうです。
食物繊維が不足すると、便秘や痔、腸内環境の悪化につながりますので、しっかり摂ることが大切です。食品から摂っている分には、過剰になることはないと考えられますが、サプリメントなどで一つの食物繊維をたくさん摂ると、下痢を起こすことがあります。また、鉄、カルシウムなど吸収を妨げてしまいますので、ミネラル不足を引き起こしてしまうかもしれませんので、食物繊維は食品から摂るように心がけると良いですね。
腸内環境を整え、血管のエイジングケアまでカバーできるもち麦。プチプチとした食感は咀嚼も促し、サラダやスープだけでも満腹感が得られるので、ダイエット食材として最適ではないかと思います。
